世界中で、たったひとりのじいちゃんへ。

世界中で、たったひとりのじいちゃんへ。

なんでこんなに可愛いのかよ 孫という名の宝もの

孫 / 大泉逸郎

じいちゃんがいつも歌ってたこの曲が、ホンマは私、すごく苦手やった。

天国に行ってしまってからじゃ、遅いけど。今日は、じいちゃんに伝えたい話をするね。

自慢のじいちゃん

孫としての、劣等感。

じいちゃんは歌も上手くて、嬉しそうなじいちゃんの顔は好きやったけど、「孫」っていう歌は、私以外の4人の孫のための歌やって思って、にくらしかった。

じいちゃんにとっては初孫の、いつもめちゃくちゃ優しいいとこのお兄ちゃんと、その妹で、やんちゃで甘え上手なお姉ちゃん。そして、年が離れた、いつまでも「チビ子達」な私の妹の双子たち。

間に挟まれた私は、いつも上手く甘えることも、対等に語り合うこともできんかった。

なんでもできる、かっこいいじいちゃん

地区のリレーの選手だったことが自慢のじいちゃんに、唯一運動音痴な私は、走り方を教わることもできんくて、恒例行事の書き初めの練習でも、字を書くのもうまいじいちゃんに、上手く教われんかった。

小学校6年生の時の「地元の人に昔の暮らし教わろう!」みたいな、特別課外授業で、地域の人代表として来たじいちゃんは、本当にいろんなことを知っとたし、話すのも上手やったから、みんな話を聞いて、楽しそうやった。

藁で、縄を編むがを教わった時は、みんなが縄に苦戦しとる間に、教えながらなんに、サラっと草履を完成させるじいちゃんが本当に自慢やった。

そんで、その日はなんか、私だけのじいちゃんになったみたいで、本当に本当に嬉しかったんよ。

それからもずっと、じいちゃんは自慢のじいちゃん。

背も高くてスラッとかっこよかったし、頭も良くて、定年を過ぎてもしばらくは、元気に仕事しとったよね。

ばあちゃんと、喧嘩しながら、「世界一美味しい」豚汁を作ったり、シワシワの自分の手を撫でながら「撫でてキレイにしとる。いい手やのぉ。」って自画自賛して笑ったり脚立に登って、本当にキレイに庭を整えて「雪吊り」を仕上げたり。

本当に本当に、いつもかっこいいじいちゃん。

…それながに。

うまく、甘えられんかった。

なんで、なんでもっとちゃんと、向き合えんかったんやろう。

じいちゃんが口ずさむ、「そっくりと言われて嬉しい」「宝もの」の孫は私のことではないって、拗ねて上手に甘えられんかった。

「私はいいから、あんた達があげたほうが喜ぶって」って本気で言って、自分が買った敬老の日のプレゼントを、いつも、わざわざ妹に渡してもらっていた。

そんで、喜ぶ姿にまた、ますます劣等感を抱いたりして、次第には、あんまりじいちゃんの家には、近づかんくなった。

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本当は、本当に大好きやったのに。

孫や子供に、順番はないっていうがは、キレイゴトやとは、今でも思う。

だけど。

私が、じいちゃんにとってどんな孫やったとしても、私にとって、じいちゃんが、唯一の、たった一人の大好きな存在だってことには、何にも変わりがなかったがに。

それながに、どうしてその気持ちをもっと素直に感じて、もっと素直に行動できんかったんやろう。

ちゃんと伝えたかった。

ちゃんと感謝したかった。ちゃんと。ちゃんと。。。。

これからも、孫でおらせてね。

じいちゃん。

本当に、じいちゃんが大好きやったよ。これからも、ずっと大好きや。

ずっと感謝しとるし、もっとちゃんと、幸せを掴めるような孫になるちゃね。

今さらで、ごめんやけどね。これからも、じいちゃんの孫でおらしてください。

じいちゃんは本当に人気者やから

じいちゃんがおるとこから、見たい人たちはたくさんおると思うがだけど、たまには、私のことも見てみてね。

ちゃんと素直に、生きるから。

ちゃんと、ずっといつも素直に大好きって伝えられるような生き方をするから。

自分が、どう思うかやんね。

これからはちゃんと、もっと人を好きになりたい。

「愛されているかどうか」じゃなくて、「愛しているかどうか」を大切にして、もっとたくさん、愛を伝えられる人になりたい。

じいちゃんは特に、そんなこと何も望んでなんかなかったとしても、じいちゃんのおかげやよって、いつか笑えるようになりたい。

じいちゃん、本当にありがとう。

わざわざ「ありがとう」なんか言うてしまうと、じいちゃんがおらんがが、本当のことやって思い知らされて、目を逸らしたくなるけど。

だけど、ちゃんと向き合うことにするね。

後から「伝えたかった」って後悔するんは、もう嫌や。

ホンマにありがとう。ずっとずっと、大好きです。

じいちゃんは、ホンマに、私の自慢のじいちゃんです。これからも、ずっと、尊敬してるし、大好きだよ。

ありがとう。ありがとう。

じいちゃんは、私の宝ものやよ。

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